2006/8/20 日曜日

青い車(DVD)

- 映画

劇場公開時に観れなかったのでDVDを購入。
つか、名古屋では上映ないと思ってたらやってたみたい。知らなかった。なんで知らなかったんだ……?
内容は、うーん。

リチオの人物像が曖昧な印象かなぁ。結局こいつ何なの?って感じ。
アケミやこのみが好きになる理由が分からないです。
リストカットとか意味が分からないし必要な設定なのかな。そういうことをする人間ということの裏打ちとかそういうのも感じられなかったし。
僕は常々原作物の映画でも、原作と同じである必要はないし、原作が原案になるくらいの勢いで改編してもその「映画」が面白ければそれでいいと思っているのだけど、原作を知っているこの作品に対して言うと、この原作を使ってこの映画が出来上がる訳がないという感じだ。
ベクトルが原作とまったく逆を向いてしまっている。
原作ではリチオは「生きてることをラッキーだと思った」のに、映画では「生きてることをラッキーだと思わなきゃ」と自分に言い聞かせてる。
そもそも生きることに対する考え方が違うのに原作を内包しさらにそれを膨らませるようなストーリーが出来る訳がないのだ。
よしもとよしともの別の短編漫画「アヒルの子のブルース」の設定も混ざっているけど、リチオは抜け殻ではない。やはり原作とは逆ベクトルだ。
それでいて「小沢健二」や「ごみんに」はなかったとしても、ラストシーンだけ原作のままを持ってこられても違和感しかない。
「俺がなんとかする」と言われても映画のリチオでは口からでまかせな気分です。
麻生久美子と宮崎あおいは自分なりに自分の役を考えて演じているのだろう、映画版の青い車の登場人物としてのキャラは立ってました。
映画版としてのキャラが立っているとは言っても、原作のこのみのイメージで言うと宮崎あおいはミスキャストですが。そういう意味では宮崎あおいはがんばった。
監督と脚本の奥原浩志という人が映画版青い車のリチオ像をちゃんと確立しないまま映画作りを始めてしまったのかもしれない。
よしもとよしとものファンの視点で観ると全然ダメ。
よしもとよしともを知らない人が観ても大した評価は得られない作品のような気がする。

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