4時間弱という長い時間を使っているけれど、退屈することもなく感覚的には4時間も観ていたとは思えなかった。ストーリーを追うだけならもっと詰めることができると思うけど、見せたいのはそれだけじゃないって事か。
役者の演技が大げさ気味なのが、シェイクスピアだからかと思ったりした。特にオセローの吉田鋼太郎という人が迫力というか、存在感というか、舞台上に他の人がいてもなんかそっちに目がいってしまいました。
イアゴーの高橋洋という人も良かった。どんだけ喋るんだよ的に台詞量が半端じゃなくてしかも早口。聞いてる方が大変だったりすることもあったりしてこれは演じる方はもっと大変ですなー。
一番最初のこそこそ話のところは声が抑え目なこともあり早口だしで聞き取れなかったところもあったよ。
そのせいか、どうもイアゴーがオセローや副官を憎んでいる理由が自分の中ではっきりしないまま最後まで行ってしまったんだけど、帰ってきてから調べたら単に出世欲とかそういうことみたいね。
イアゴーはすごく狡猾ですべての人の目をあざむいていて、イアゴーの計画通りに話が進んでいく展開がとてもデスノートを連想させた。(笑)。
正直者を装って話している時に、一瞬話し相手の目に入らないところでパッと悪人の表情に変わって、またパッと正直者に戻るのがすごかった。切り替えが。
悪人顔が強く印象に残ったですよ。
なんかタイトルがオセローの割りには主役はイアゴーだという気がしましたね。
蒼井優は綺麗だった。客席の通路を通って登場したり帰って行ったりするシーンがあったので、そこそこ近い位置で見れたよ。
でも、綺麗だし演技も悪くないけど、舞台的な演技とはちょっと違う感じもした。この娘は映画向きな女優だなぁ、と。
表情は良かった。
有名なきらめく剣を鞘に収めよの台詞はありませんでしたよ。ちょっと残念。
全体的に不満もないし悪くはなかったけど、もう一度見たいとも思いませんでした。
シェイクスピアはあんまり好みじゃないのかも。蜷川幸雄がかな。
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