けせら・せら

起きたら隣の部屋に安倍晋三がいて、僕の方を見て挨拶の笑顔を向けてきた。
彼の前には小学生くらいの男の子が座っていて、どうやら息子さんらしい。
戸の陰に隠れて見えないけど、小泉首相の声も聞こえてきた。
なんでも、総裁選に向けて自分の考えを話しに来たらしい。
なんで僕のところにと思ったら、一軒一軒回っているそうだ。ご苦労なことだ。
そこまで聞いて、僕は自分の頭のてっぺんに髪がないことに気がついた。鏡を見ると確かに頭頂部の地肌が見えている。
そういえば、寝ている間に頭をぼりぼり掻いた覚えがある。それが原因か。掻きすぎだ。
安倍晋三より頭のほうが気になってどうしようどうしようと僕は狼狽した。
こうなったら、いっそスキンヘッドにしたほうが格好いいな、と思った。