「レーニ、早くするでーす」 「待ってよ。織姫」 廊下に元気な声が聞こえてくる。 「あれ、二人ともどこかに出かけるのかい?」 その元気な二人を見つけると、大神が声をかける。 「お買い物でーす」 「織姫が夏物の服を見に行こうって言うから」 二人並んで笑う。 「そうなんだ」 大神もそれに笑顔で返す。 「じゃあ、行ってくるでーす」 「行ってくるね、隊長」 二人一緒に手を振る。 「ああ、楽しみにしてるよ」 大神も手を振って応える。 「それ行くでーす」 「あっ、織姫っ」 駆け出した織姫を追いかけて、レニも走り出す。 「あはは。なんだか姉妹みたいだなぁ」 走り去る、二人の背中を見つめながら、大神がつぶやいた。 |
ひとつずつ、 | |
すこしずつ、 | |
綺麗になっていく――。 | |