「米田さん、怒ってたわよぉ。大神君のキネマトロンに通信したら米田さんが出るんだもの。私ビックリしちゃったわ」 「え?! 米田さんが! 米田さんが見つけてくれたんですか?」 大神君は驚きと安堵が入り混じったような声で聞く。 「えぇ、そうよ。見つけたのは由里だそうだけど、今は米田さんがちゃんと持っていてくれてるわ」 「良かったぁ。一時はどうなることかと……」 今度は安心のため息が聞こえた。 「あ、でも、どうしてキネマトロンに通信を? 俺に何か用だったんですか?」 心配事が一つ解決すると、すぐに次の疑問へと頭が切り替わる。こういう回転の早さは大神君の長所の一つだ。 |