■ 突撃インタビュー

 ピーロロロ。ピーロロロ。
 ブィン。
「はい。帝国華撃団銀座本部。通信担当レニ」
「こんにちは、レニ。『Orange Sunshine』第四幕担当のあにまるです」
「あにまるか。……何か用?」
(う。何だか反応が冷たい)
「(気を取り直して)えっと、今日は『Orange Sunshine』が完成したから、レニにも何かコメントをもらえたらなーと思って」
「そう。……完成おめでとう」
「…………」
「…………」
「え、あ、それだけ?」
「通信を終了する。じゃ」
「あー、待ってー!」
「何?」
「あの、それだけじゃ寂しいんでもう少し何か。えっと、じゃあ、僕が質問するから答えてくれないかな?」
「……分かった。時間がないから手短に」
「ありがとう。助かるよ(ほっ)」



■ 全体の感想

「最終幕まで完成した訳だけど、すべての物語を読み終わっての感想をもらえるかな?」
「うん。良かったと思う。みんなボクと隊長のことを自分のことのように想ってくれているのが分かって嬉しかった。……第四幕以外は」
「う、そうですか。第四幕以外、ね……(汗)」
「あにまる担当の回だ」
「わ、分かってます(泣)。えと、中盤まで方向性が決まらないままに進んで、少しまったりした印象になっちゃったかなって思うんだけど、その辺どうだろう?」
「その意見は否定しない。でも、みんな自分好みの展開にしようと思考錯誤していたような印象は受ける」
「それは感じる。でも、みんな割と大人しかったね。あと、リレーだからって『続き』にこだわりすぎたような感もあるかな」
「だって、みんなが好き勝手していたら収拾がつかなくなるじゃない」
「インパクトの問題かな。でも、そういう意味では後の人はまとめ役になるから大変だったよね」
「うん。前作の『LITTLE WING』でもそうだったけど、特に最後から2番目、今回では第九幕が一番大切なポジションだと思う」
「第九幕は上手い展開だったね。第一幕の伏線をここで使ってくるとはって感じだったし」
「あさばさんも伏線のつもりはなかったのかもしれないけどね。それがリレーの面白いところ」
「面白いといえば、僕的にはあさば嬢がデザインした服をわん子さんやりっぷさんの絵で見れたのが目に楽しかった」
「……ボクの服、最初はショートパンツだったのに、りっぷさんの時だけスカートになってる気がするのは気のせい?」
「気のせいじゃないと思う。あれはきっとりっぷさんの妄想の具現化。カンナの妄想が男性用のスカートだったから、ちゃんとしたスカート姿のレニが見たかったんだよ」
「そ、そうなのかな……? なんだか、ちょっぴり恥ずかしい(照)」
「ふふふ。じゃあ、使われなかった伏線もたくさんあるけど、それについてはどう思う?」
「第四幕冒頭のすみれの話題は伏線? あれは伏線だとしたら露骨すぎだ」
「うう、さっきから第四幕だけに厳しくないですか?(汗)」
「別に。素直な感想を言っているだけ」
「第五幕以降で大神さんとレニが2人で行動することになるから、新たなお邪魔虫を用意しておこうと思って。だから、使われないならそれはそれで良かったんだ」
「そう(関心なさそうに)」
「そうです(汗)」
「第六幕のビーナスの伏線が使われなかったのは残念」
「そうだね。あれはどう使われていくかと思ったけど、第七幕ですでに消えてしまっていたね」
「それは、蓮井さんを責めているの?」
「えー! レニが言い出したんじゃないか!?」
「使うも使わないも書く人次第。ボクは使われなくて残念とは思ったけど、それによって新たな展開が見られたんだからそれでいいと思ってる」
「そ、そうだね。それがリレーだもんね(汗)」
「それもリレーの面白いところ」
「ちなみに、今回はサブタイトルが全部歌のタイトルか歌のタイトルをもじったものなんだけど、気が付いてたかい?」
「知ってる。『Orange Sunshine』自体、JUDY AND MARYの『Hello,Orange Sunshine』からなんでしょ?」
「うん。最終幕が暑い時期になる計算だったから、ちょっと夏っぽいタイトルにしてみたんだ」
「第一幕の花組は思い切り冬の格好してたじゃない。全然主催の意思が参加者に伝わっていないね」
「う、うん。あまりにも言葉が少なすぎたようです(汗)。第四幕で強引に冬服でもギリギリ大丈夫な春に設定してみました……」
「第四幕は米米クラブの『TELEPHONE』だね。いかにもとってつけたようなタイトルだ」
「て、手厳しい……(大汗)」



■ 第四幕裏話

「じゃあ、次に僕が担当した第四幕はどうだったかな?」
「全体の感想を言ったから、第四幕のことはもういいじゃない」
「う、そ、そう言わずに、聞かせてくれないか?」
「……DCのVMとぷるぷるパックに対応しているのはさりげなくて良かった」
「あ、気づいてくれた? ありがとうー」
「サクラ大戦オンラインでDCを使用してるから。……ついで」
「あ、なるほど」
「そう言うあにまるは最近サクラ大戦オンラインの世界に来ないじゃない。もう飽きたの?」
「あ、いや、そういう訳じゃないんだけど、実は第四幕が完成した頃にADSLに切り替えてね」
「ブロードバンドアダプタ、持っていないんだ?」
「そうなんだよ。それでDCでネットに繋げなくなっちゃって」
「そう。あにまるの下手な麻雀に付き合わなくていいのは助かるけど」
「き、厳しいね(汗)。そ、それで、DCでネットに繋げなくなるから、記念にVMとかに対応させてみたんだよ」
「まあ、大したことないけど。VMはタイトルの文字が流れるだけだし、ぷるぷるパックも電話の時に一回震えるだけだ」
「そ、それはそうなんだけどね(汗)。僕的にも一度はDCのそういう機能使ってみたかったから……」
「え、じゃあ、DCでネットに繋げなくなるから、動作確認出来る内にやっておこうと思ったってこと?」
「うん。まあそう」
「なんだ。消えていくハードであるDCが確かに存在したという証を自分の作品の中に刻み込んでおこうと考えた訳じゃなかったんだ……。さっきの言葉は取り消す。誉めるんじゃなかった」
「そ、そんな大それたことは考えてないです……(汗)」
「セガやボクのためではなく、自己の欲求を満足させたかっただけなんだ。『Orange Sunshine』はボクと隊長のお話なのに……」
「あ、いや、でも、お話も一生懸命考えたんだよ? 第三幕でストーリーが三方向に分岐しちゃったから……」
「sakiさんのせいにしてるの? 人のせいにするなんて最低だね」
「え、そんな。そういうつもりじゃ……。分岐したストーリーをまとめるには、更に違った視点を用意すると上手くまとめられるかなぁとか色々考えて……」
「……それで、ボクの出番がなかったんだ?」
「それは、第五幕以降の展開を考えると、大神さんに主導権があった方が都合がいいと思ったんだよ。だから、今後の方向性を決めるには、第四幕はかえでさんと大神さんの会話だけで進めるのがベターだと思ったんだ」
「ふーん」
「て、あ、レニ! もしかして、出番がなかったこと怒ってるの!?」
(それでずっと冷たかったのか!)
「最初の予定通り蓮井さんが第四幕担当だったら良かったのに」
「いや、だって、蓮井さん唐突にネット環境なくしちゃったから僕と入れ替わりにするしか……」
「今度は蓮井さんのせい?」
「レニー。ゆるしてよう。レニがきらいで出さなかった訳じゃないんだー」
「じゃ、そろそろ時間だから。ボクはこれで」
「あ、レニ! 待って!」
 プツン。
「あー、レーニー。待ってよー。うわーん。 ヽ(T▽T)ノ」
 ザーーー。



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