『サクラ大戦活動写真』感想
2回観ました。日にちは別の日です。
2回観た上での感想です。
2回目では人から聞いた意見も参考にして考えながら観ました。
とりあえず、レニから語りましょう(笑)。
場面によって可愛かったり可愛くなかったりしましたね。
作画が1人ではないので絵が変わるのは仕方がないですが、格納庫でラチェットと再会した時のレニはあんまり可愛くなかったです。
逆に可愛かったのは、戦闘時のレニでした。
と言うか、今回の映画ではやたら弱いレニです。
戦闘に出るたびにやられております。
光武・改損傷でアイゼンクライトに乗り換えた時には、クライマックスでは光武・改が直ってきて、今度は光武・改で活躍してくれるんだろうな〜という期待は見事に裏切られました(笑)。
てか、その光武・改損傷の時に顔に怪我してましたが、次のシーンではすっかり治ってましたね(ばく)。
で、戦闘時のレニの可愛さについてですが、操られた織姫機をラチェット機からかばう「だめぇぇぇー」あたりから可愛さ急上!
ラチェット機にやられ、コックピットから落ちるレニ。
さくら機に受け止められた時の足が妙に色っぽいです(あにまる→えろまるモードに移行)。
で、さくら機の手の上で髪を風に揺らすレニも、それはもうあなた可愛いですよ(他に言葉ないんかいって感じですが)。
その後、コックピット内の織姫を必死に抱き起こそうとして、力足らず持ち上げられないレニも女の子らしい感じ。
今回のレニはとっても織姫思いで、レニと織姫のコンビが好きなあにまるとしては嬉しい限りです。
帝都防衛陣発動後に現れたヤフキエルをレニが真っ先に追うシーンとかいいですよね〜。
ところで、色っぽいレニですが、どうなんでしょう?
あれは、広井さん的に、或いは監督さん的に、色っぽい、と言うか女性的描写でという指示みたいなものがあったのでしょうか?
17歳の女の子ですから、普通に色気が出てきてもおかしくない年頃ですが、今までのレニからするとギャップがあります。
作画の方がレニというキャラクターを良く知らず、17歳の女の子キャラだからということで、ああいう絵になったとは考えにくいですが、そんなことを思うほど戦闘時のレニは可愛すぎました。
この可愛らしさがサクラ4でも継続されていないと、やはり映画の可愛さは作画マンの勘違いと思ってしまうです。
ラチェットを苦手としている理由が全く分かりませんでしたね。
当時、感情的になるなどなかったレニが苦手としていたというのですから、それはそれは。
感情以前にその言動が相反するものだったとかでもないはずですし。あの合理主義はむしろレニと通じるものがある。
なのに、再会した時の「何しに来たの?」のセリフは不可解です。
そこまでレニに思わせていたラチェットとの星組時代を、いつか何かの形で描いてくれないとすごく嫌です。
他花組の皆さんですが、今回はさくらの次に紅蘭が目立ってましたか。
お約束の爆発がなかったのは少々ものたりませんでしたが、光武・改のバックパックとか滑龍丸とかこんなこともあろうかと作っていたのは流石です(笑)。
おみくじのシーンでさくらの待ち人を言いかけますが、紅蘭自身はどうなんでしょうか? ああやって冷やかすと、紅蘭は想っていないみたいに受け取ってしまいます。
マリアも活躍したか。
マリアにしては珍しく、と言うのか、証拠もなしに単身DS社に潜入したりしましたね。
けど、キネマのシーンを見ると、紐育時代からDS社、或いはブレンドのことを知っていたっぽい。
つまり、あまりいい噂を聞いていなかったために、自分の中で引っかかるものがあってあの行動。だけど、確信がある訳ではないので、誰にも言わずに出かけた。
そういうことだと納得しました。
ところで人に言われて気がつきましたが、川に飛び込んだマリアさん。
泳げるようになったのでしょうか?
紅蘭がクリスマス公演後に今年1番がんばったのはカンナだと言ってますが、カンナは何をがんばったんでしょうか?
そのカンナ。あんまり見せ場らしい見せ場はなかったですね。
ヤフキエルの集合体の右腕を光武・改でやっつけたところくらいか。
人ごみの中を人力車で暴走するのは危ないからやめた方がいいです。マリアもとめようよ(笑)。
すみれもこれと言って見せ場なし。
同じくヤフキエル集合体の左腕を切り落とすくらい。
新しい花組戦闘服のリボンが後ろに下がってるのは、すみれの意見か? とか思いました(笑)。
あ、すみれが観てたキネマ。『嗚呼横濱横戀慕』ですが、主演が工藤優作でした。
松田優作の主演ドラマ『探偵物語』で松田優作が演じる探偵が『工藤』でしたね。やはり、そこからでしょうか? あのドラマ横浜が舞台だったかな?
アイリスは帝都防衛陣の引き金なんすね。1番霊力が高いからでしょうが。
サクラ4で帝都防衛陣が登場するのか、ちょっと楽しみ。
あのワイヤーまで光武・改やアイゼンを運んだのが、サクラ3のリボルバーの弾丸と同じものでしたよね?
巴里での技術が生かされていると。逆か?
てか、さくら機を霊力(サイコキネシス?)で持ち上げて飛ばすシーンはアイデアですね。ああいう戦い方もありなのかとちょっと感心。
織姫さん、みそたらし団子がヒットでした。
織姫語録は今回それと「久方ぶりでーす」くらいでしたね。
是非ラチェットにてんてこ舞いを教えてあげてほしかったです(笑)。
星組意識の強いラチェットに負けたくないと、ヤフキエル指揮の任に立候補する織姫。彼女が強く花組の隊員であることを大切に思っていると分かるシーンです。
操られ花組を襲う織姫が呪縛から逃れるために力を振り絞ってパトリック(使い魔?)を攻撃して、それをそのまま返されて我を取り戻し、駆け寄ったレニに言った「ちょっと失敗しちゃったです」が気丈な織姫らしく、そんな織姫が可愛く思えました。
さくらはまあ、言ってみれば代表、と言うかシンボリックなキャラなので、出番は多いですね。
最初の楽屋でカーテン破って転ぶシーンは、ドジな娘だよと映画を観ている人に教えるためのシーンだったんでしょうか? それとも、いわゆるお約束だったんでしょうか?
前者なら今更って感じですね。これだけ、ゲームやってないと分からない映画になってるんだし。
個人的にお気に入りシーンは帝劇に潜入した時にDS社の私兵を刀を抜かずにやっつけるシーン。
あそこのさくらは格好良いです。
さくら格好良いと思ったの初めてだ(笑)。
ラストのラチェットのアドリブに良くついていったと思いました。
ついていかんと話始まんないけど、カンナやアイリスだったら言ってる意味理解出来なかったと思うよ(失礼)。
皆が「許します」って言ってるところでも、何を許すのか2人は分かってなかったような気がします。
そのシーンでさくらが流した血は何だったんでしょうか?
アドリブなら血糊を仕込んでいた訳ではないでしょうし、海神別荘に血を流すシーンなどありませんし。
映画ゆえの、許される範囲の嘘、ということで納得しました。
加山、のっけから登場するとは思いませんでした。
マリアのことを「マリア君」と言っていたのが印象に残ってます。「さん」じゃないのね。
琴音さんを清流院と呼んでいたのもちょっとビックリ(笑)。
薔薇組は薔薇組だからといってバラでなく、3人セットで登場して欲しかったですね〜。
大神さんはおいしすぎでした(笑)。
あの登場時に光武F2が持っていたライフルは、ライフルと言うより形状はエリカ機のマシンガンに似ていた気がする。
ちょっとしか写らなかったから良く分からなかったよ。
犬は名無しでOKでした。
光武・改始めアイゼンや轟雷号は良く動きましたね。
轟雷号の発進シーンは燃えでした。
帝劇にもあんなにたくさんスタッフがいたんですね(笑)。
ゲームやってると帝劇のスタッフどれくらいいるのか分からないからね。
てか、あれだけの人数普段どこにいるのさ!(ばく)
けど、見ごたえはあったんですが、映画全体からするとちょっと長すぎる気がします。
あのシーン削って、も少し、例えば事後のラチェットの動向とかチラと入れたりした方が良かったかも。時間の使い方として。
光武・改はカンナ機の腕がワイヤーで伸びたのに驚き。
レニのアイゼンクライト、ランスが回るよ。あれ格好良いです。
戦闘シーンは基本的にちょっと暗かったですね。
見にくい、までは行きませんが、も少し明るくても良かったのにと思いました。
そいや、ダストシュート。
何で入った時と出て来た時と並びの順番違うのでしょう? クネクネしてるの?
あとはパラシュートでの降下。
いつもゲームやってて、ボボン! って登場する時にどっから出て来るんだと思ってたんですが、あれは空から降って来てたんですね。謎が解けました(笑)。
敵はその目的がイマイチ分かりにくかったですね。
ブレンドの目的は日本支配なんでしょうが、何で帝都、日本なのかが見えませんでした。
紐育華撃団設立の情報を入手して、それに先駆けて帝都支配に乗り出す。
帝都防衛にヤフキエルが採用されれば花組は解散。そうなると紐育華撃団設立もお流れになり、紐育にもヤフキエルが配備される。或いは巴里にも。
そうなれば、一気にそれらの都市はブレンドの手に落ちる。
てなシナリオだったんでしょうか?
どちらにしろ、劇中で語られなければ意味がないです。ブレンドのやりたかったことは知りたかった。
パトリックは単にブレンドの駒っぽいですね。
て言うか、パトリックでかい! マリアよりずいぶん背が高かったですよね。
銃弾も効かないし、降魔の細胞でも取り込んでるんじゃないの?
霊的攻撃しか効かないみたいだしね。
霊的攻撃と言えば、夢組が霊力を込めた弾丸などが出て来ました。
あにまる的には、てっきりマリアは自ら弾丸に霊力を込めて撃ってるんだとずっと思ってたんですが違うんですね。
とすると、光武・改の弾丸も霊力は込められていないのだろうか??
ラチェットさん。今回のキーパーソン。
1回目観た時は正直何が何だかでしたが、2回目で何となく彼女のしてきたことや心情が理解出来た気が。
製作者の意図はともかく、あにまる的自己解釈。
紐育華撃団設立の参考を名目に帝劇花組に体験入隊するラチェット。
その真意は自分の力を見せつけるため。
星組という自分の力を、存在を示す場所を失ったラチェットは、きっとずっとその代わりとなる場所を欲していた。
そこへ持ってこいの紐育華撃団設立の話。
そのラチェットにブレンドが接触。相互の利害関係の一致で手を結ぶ。
この辺りが不明瞭ですが、ラチェットは何を思ってブレンドと通じたのかは謎。
この時ラチェットはヤフキエルの中身が降魔だとは知らなかったと思う。降魔を帝都に放っているのがブレンドとは知っていたかも。
ただ、ヤフキエルの力は都市防衛に有効だと素直に思った。合理主義のラチェットらしく。
そして、真に魔の恐怖から人々を救いたいという気持ちはあり、だからこそブレンドにつけこまれ利用された。
ブレンドはヤフキエルを売り込むため。ラチェットはその存在をアピールするため。
そのヤフキエルを指揮する。それがまた存在をアピールするチャンス。だけど、その役は織姫に持っていかれる。
この辺りからラチェットのシナリオが変わってきた。
抜きん出た能力のため、その徹底した合理主義のため仲間らしい仲間はいなかった。星組は唯一自分の居場所だったが、それもそのせいで解散した。
それに気づいていたかは不明だが、ラチェットにはその抜きん出た能力しかなく、星組にいつまでもしがみついていた。
その描写は劇中に良く見られ、星組を大切に思っているのは見て取れる。
星組の力の象徴とも言えるアイゼンクライトがヤフキエルの集合体に攻撃され沈黙した時には、そのコックピット内でラチェットは落胆する。この時のラチェットは少し悲痛。
唯一自分という存在を示していた自分の能力、それが、通じていたブレンドに打ちのめされた。
ラチェットには誰もいなかった、だからこそ必要とされたいと願った。
そして自分をアピールした。
ブレンドの誘いはラチェットの心の隙をついていたのかもしれない。
同じ元星組の織姫とレニが、花組という新しい居場所を見つけていることは、深い嫉妬、憎しみの念を生んだ。
或いは花組に入隊した理由は内部からの花組崩壊だったのかもしれない。
そんなラチェットに苦手意識を持っていたレニが海神別荘の舞台で「私が相手になりましょう」と言う。
花組は「許します」と言う。
全てを失い、自分の居場所を確保出来なかったラチェットが、半ば自暴自棄だろうか、舞台上で告白した自分の所業を花組は知りながら、それでも許した。
さくらの言う短い間だったけど一緒に夢を見たラチェットを花組は仲間と認めた。レニですら。
それはラチェットの中にある光。真に魔の恐怖から人々を救いたいという気持ちを花組は感じ取っていたのだろう。
そして、大神隊長の言葉と同じに「信じよう」と思った。
ラチェットは「この時が続けばいいと思えた自分が嬉しい」と言う。
初めてラチェットも仲間を得たと感じられたのだと思いたい。
ラチェットの勝利のポーズ決め見たいぞ!(笑)。
ラストの桜並木を歩くさくらは、意味もなくヒロイン(主演女優)を登場させていい顔で終わるという昔の映画で良くあったアレを踏襲する言わばお遊びだろうが、今の子達には訳が分かりますまい。
いらないと言えば全くいらないシーン(笑)。
結局、通して観て全てを理解出来なかったし、やはり分かりにくい映画であることは間違いない。
映像や音楽は秀逸だが、受け皿がそれを収めきれていないように思う。
僕が映画を観る時に1番ウェイトを置くポイントはストーリー。
そのストーリーが分かりにくい作品は心から楽しめないし、何よりすっきりしない。
サクラ大戦活動写真が楽しめなかったという訳ではないけど、僕にとって心に残る作品にもならなかった。
小説版が出るのでそれを読めば補完されるのかもしれないけど、それはまた違う話。映画として理解出来ない部分があるのなら、それはその映画にとって欠点に他ならないと思う。